旬の食材を食べることは、栄養面、経済面、美味しさ、文化など、さまざまな観点から非常に重要で、私たちの生活に健康と楽しみを与えてくれます。
それぞれの観点から詳しく説明します。

1. 栄養面の重要性

旬の食材は、その時期に最も豊富な栄養素を含んでいます。
〝旬の季節に採れたもの〟と〝旬ではない季節に採れたもの〟を比較したときに、同じ野菜でも栄養価が数倍違うこともあります。
また、季節ごとの気候や環境に応じて、身体が必要とする栄養素を自然に取り入れることができるのも旬の食材を食べることで得られる大きなメリットです。
例えば、夏に旬を迎えるトマトは、他の季節に収穫されたものと比較してビタミンCやリコピンが非常に豊富であり、紫外線から肌を守ったり、修復する効果が期待できます。

2. 経済面の重要性

旬の食材は、その時期に豊富に収穫されるため、供給量が多く、価格が安定していることが多いです。
また、旬を外れた食材は栽培や輸送に多くのコストがかかるため、価格が高くなる傾向があります。
旬の食材を選ぶことで、コストを抑えつつ、質の良い食材を手に入れることができます。

3. 旬の食材はなぜ美味しい?

旬の食材は、最も適した時期に収穫されるためビタミンやミネラルはもちろん、糖度やアミノ酸も豊富に含みます。よって味が濃く、旨味や香りが豊かになります。
また、植物や魚介類にとってストレスが少ない時期でもあり、過剰な防御物質を生産していないというのも理由の1つです。

4. 文化・伝統の継承

旬の食材を食べることは、地域の伝統的な食文化を守り、次世代に継承する役割も果たします。
各地域には、その土地ならではの季節料理や郷土料理があり、これらは旬の食材を使うことで本来の味や風味を楽しむことができます。
これにより食文化や伝統が維持され、家族やコミュニティの絆も深まります。

9月が旬の食材紹介

9月は秋に旬を迎える食材が市場に出回り始める時期です。
旬の中にも「走り」→「盛り」→「名残」と3つの時期があり、それぞれ食材の食味が変わります。

走り

旬の始まりの時期。市場に出回り始めたばかりの食材を指します。
まだ量は少ないものの、初物としての価値があり、珍重されます。
食材の風味は比較的軽やかで、みずみずしいことが多いです。

・秋刀魚(サンマ)
良質な脂、ビタミンDや鉄分などバランスよく含む秋を代表する魚。

・鮭(サケ)
全食材の中でトップクラスのビタミンDを最も多く含み、アスタキサンチンは強力な抗酸化作用がある。まさにスーパー食材。

・イクラ
鮭よりも鉄分や亜鉛が多く、非常に優れた栄養を含む。魚卵なので勘違いされやすいがプリン体は少ない。

・アサリ
鉄分とマグネシウム、疲労回復や肝機能などをサポートするタウリンを豊富に含む。

・さつまいも
豊富な食物繊維とビタミンCを豊富に含む。芋のビタミンCは加熱によって損失されにくい特徴がある。

・レンコン
ビタミンCとポリフェノールを豊富に含むので、アンチエイジングにおすすめ。

・ニンジン
1年を通して栽培されているが、本来の旬は秋。目や皮膚の健康に役立つβ-カロテンが豊富。

盛り

旬の真っ只中で、食材の栄養価が高く、最も美味とされます。
その食材の味わいや栄養価が最も高いとされ、価格も比較的安定しています。
この時期の食材は、風味が濃く、成熟した味わいが楽しめます。

・カレイ
良質な脂質とビオチンを豊富に含む。

・戻りガツオ
この時期が最も脂がのってるので刺身がオススメ。

・しらす
日本人が不足している栄養素の代表であるカルシウムが豊富。使い勝手が良いのも魅力。

・松茸
栄養を求めて松茸を選ぶことはないと思うが、日本のキノコのほとんどは人工栽培なので実は旬はないようなもの。そういう意味では松茸は秋の味覚にふさわしい。

・栗
くりはナッツと同じ種実類に分類されるが、脂質が少なく、炭水化物が多い。どちらかというと芋に近い栄養素。

・根生姜
ピンクではなく、茶色いしょうがは秋が時期。皆様ご存知の殺菌作用や血流促進作用をもつ。

・里芋
里芋特有のネバネバの正体は、水溶性食物繊維。余分な塩分を排出するカリウムも豊富。

・トウガラシ
カプサイシンの辛味は舌や胃を刺激し、唾液や胃酸の分泌値を促す。

名残

旬の終わりかけ食材を指します。食材の味わいは濃厚になることが多く、食材に季節の移り変わりを感じることができます。
この時期の食材は、少し硬さが出たり、色味が変わったりすることがありますが、それもまた一興とされます。
食材の水分が少なめなので、炒め物などに向いています。

・カンパチ
・あわび

・ナス
・ピーマン

パプリカ
・ズッキーニ
・枝豆

・梨
・桃

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