ここ数年、健康やボディメイク、ダイエットなどの手段として筋トレを選択する方が増えてきました。
そんなフィットネスの認知や需要に対してパーソナルトレーニングジムも急増し、今や全国に1000店舗以上あるといわれています。
特に東京都内、中でも新宿、渋谷、恵比寿などの主要な地域に至っては数百メートル間隔に店舗があるような場所も存在します。
しかし、いざ自分が通いたいと思った際に、この星の数ほどあるパーソナルジムの中から自分に合ったジムや良質なジムを見つけるのは至難です。
そこでパーソナルジムの選び方と題しまして、
どのように選定するべきなのか、
何を見て判断した方が良いのか、
トレナー歴12年、都内でパーソナルジムを運営している私が一切忖度せずに考察し、書いてみようと思います。

 

なぜパーソナルジムがこれほど急増したのか


1)パーソナルトレーナーの急増
パーソナルトレーナーという職業は、知識や技術はさておき、自分がトレーナーと名乗れば誰でもなれてしまいます。
というのも、トレーナー行為をするにあたって必須な資格がないからです。
かつ、パーソナルトレーニングの1本あたりの平均単価は1時間のレッスンで8000〜12000円ほどで高額です。
言ってしまえば、お客様さえいれば時給1万円ほどの収益を浅い経験や資格なしの状態でも得られるわけです。
トレーナーが増えるのも頷けます。


2)参入障壁が低い
パーソナルジムをマンションの一室で開業する場合、必要な資金は200〜500万円と比較的少額です。
一度開業してしまえばランニングコストは家賃、光熱費、通信費くらいなので、固定費用が少なく参入障壁が低いのはパーソナルトレーニングジムが急増した大きな理由の1つでしょう。

3)雇われトレーナーの収入は低い
いわゆるフィットネスクラブのトレーナーの平均年収は387万円だそうです。
日本人の平均年収が443万円ですから、平均よりも低い所得にあたります。
そのためトレーナーやインストラクターは独立しなければ収益を上げることができず、
パーソナルトレーナーとして活動し始める方が増えたと考えられます。

パーソナルジム良し悪しは非常に判断しずらい

パーソナルジムは、レストランや美容室、マッサージ、整体などと違って、筋トレの性質上、良し悪しが判断しづらいです。
その理由をいくつかあげてみます。

1)1度で完結しない
例えば、レストランであれば「美味しかった、美味しくなかった」美容室であれば「希望の髪型になった、ならなかった」
1度足を運べば、次回も来店したいと思えるか、おおよその満足度がご自身の中で決まることでしょう。
しかし、パーソナルトレーニングは1度では身体は変わりません。
継続的に通わなければ成果が出ないため、判断するには数ヶ月の期間を要する場合もあるでしょう。
また、身体を扱う以上は結果には個人差があります。その個人差が余計に良し悪しを判断しづらくします。

2)正しい知識ではなく、重要な知識か見分けにくい
例えば、ダイエットのためにパーソナルジムに通い始めたとします。
「トマトに含まれるリコピンという成分には、血流を促したり、脂肪細胞が肥大するのを抑える効果があり、ダイエットには非常に有効です。」
と、トレーナーに言われたとしましょう。
正しいか、正しくないかで言えば正しいです。
しかし、重要かどうかでいえば重要ではありません。
というより、優先すべき事項ではありません。
それよりも食事のPFCバランスや食事量にフォーカスする方が断然有効です。
少し極端に例を出してみましたが、このように正しい知識と重要な知識とでは全く異なり、知識のないクライアントにとって判断しづらいような情報が無数に存在するのもジムの良し悪しを見極めづらい理由の1つです。

3)実施するのはお客様
エステやマッサージ店であれば、施術者がお客様に直接施術をするので、成果に関わらず手技の心地よさや違和感などが体感できると思います。
しかし、パーソナルトレーニンングの場合はそもそも実施するのがお客様側なので、そのような判断材料がないことも見分けにくいポイントになっているかと思います。

良いパーソナルトレーニングジムの見分け方

1.カウンセリングと体験トレーニングは絶対に受ける
ほとんどのパーソナルジムには入会前のカウンセリングや体験トレーニングなどのトライアルがあります。
トレーナーの雰囲気や対応、説明に納得感があるのか、実際に話してみるのがまず1番です。
また、体験が終わった後にする質問もいくつか用意しておくと良いかもしれません。
例えば、「私の身体の現状や癖はどうでしたか?また、それらに対してどのようなアプローチをしますか?」
このような質問に対して、納得のいく説明ができるかどうかでもトレーナーのレベルが伺えるかもしれません。

2.トレーナーの保有資格をチェックする
資格の有無でトレーナーの力量が分かるわけではありませんが、最低限の知識を有しているトレーナーなのかを判断することはできます。
NSCA-CSCS、NSCA-CPT、JATI-ATI、 NESTA-PFT、NASM-CPT
これらはパーソナルトレーナーの主な資格なので、トレーナー紹介の欄に記載があるかチェックしてみましょう。

3.トレーナーの経歴をチェックする
トレーナーには、クライアントの筋力、柔軟性、癖、疾患、既往歴、日々のコンディションなど、様々な情報を元にその方に合ったプログラムを作成し、成果を上げることが求められます。
しかし、人体を扱う以上は万人に100%通用するメソッドや理論はありません。
そんな時、知識だけだと必ず行き止まるので経験有無が結果を左右します。

NGな選び方

1.トレーナーの大会出場経歴や成績で選ぶ
トレーナーが大会出場の経歴を持っていることは、お客様も同様の競技に興味があり、大会出場を目指している場合は有効です。ポージングレッスンやコンテスト出場までのピリオダイゼーション、極限まで絞り切るテクニックを自身の経験を踏まえて指導できるからです。
しかし、お客様それ以外の目的だった場合は、トレーナー選びの判断基準にはなり得ません。
もちろんトレーナーがトレーニングを全くしていないことは論外ですが、指導力とは基本的に別物です。

2.一時的なキャンペーンや特典、料金だけで判断する
パーソナルジムは高額な買い物になることが多いので、立地、設備、オプション、サービス、トレーナーのスキルや相性など、総合的に判断する必要があります。
なぜか入会金無料キャンペーンを常に実施しているジムをよく見かけますが、恐らくお得に見せるためのテクニックなのでしょう。「今がチャンスかも!!」と、リサーチ不足のまま衝動的に入会するのは避けましょう。

3.口コミは参考までに
パーソナルジムは、トレーナーと週1回以上お客様とマンツーマンの空間で過ごし、場合によっては食事の報告などで毎日連絡を取り合うこともあるので、そのサービスの性質上、レストランやマッサージ店、美容室などよりも親密な関係になりやすいです。
よって、特に個人でやっているような小規模なジムほど悪い口コミがつきにくいので参考にならない場合があります。

まとめ

もし、満足できるパーソナルジムに出会えた場合は、健康的かつ理想の身体を手に入れることができ、人生が今よりも数倍充実するような体験が待っているかもしれません。
そのために複数店舗のカウンセリングや体験を利用して、慎重にリサーチしてから決めることを強くオススメします。

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